新型コロナ、運休で航空会社各社に与える業績影響と株価は?JALとANAで比較してみた

航空会社 株式投資

航空会社各社が中国本土への運行本数を半減すると発表

新型コロナウィルスの影響により、JALやANAなどの航空会社各社は中国便の一時運休、減便を発表した。JALでは中国本土便は約半数以下、ANAも半減とまではいかないまでも、影響の広がり度合いは読めない状態が続いている。

ロイターニュース;ANAとJAL、中国便で一時運休と減便 新型ウイルス拡大で需要減

NHK NEWS WEB; JALとANA 一部の中国路線を3月28日まで運休へ

また、中国便だけでなく、韓国や台湾便にも影響が出てきた模様。

日テレNEWS24; JAL、韓国や台湾線も減便へ 新型コロナ

JALのホームページ上では対象便が確認できる。JALでは2020年2月6日~3月28日の期間、運休、減便をするとしている。

JAL HP; 新型コロナウイルス関連肺炎の影響に伴う一部運休・減便について(2020年2月19日更新)

ANAのホームページ上でも対象便が確認できる。ANAではまだ他のアジア地域への減便は発表されていないが、韓国での感染の広がりなどをみる限り、ANAも韓国便などへの減便も時間の問題とみるのが自然だろう。ANAの運休期間は2020年2月10日~3月28日としている模様。

ANA HP; 新型コロナウイルス感染拡大に伴う国際線路線・便数計画の一部変更について

日本航空/JAL(9201) のケース

JALの中国線の売上構成比はおよそ11%でそこまで高くない

JALの場合、中国線の旅客構成比は11%となっている。(出所:JAL2018年3月期決算説明会資料

2018年3月期の売上高が約1兆4,872億円なので、構成比11%だとすると中国線からの売上は約1,635億円となる。これを単純に月ベースで割るとひと月約136億円となる。JALでは、約2ヶ月間運休するとのことなので、2ヶ月分はおよそ272億円となる。運休するのは中国便の半分とのことなので、約136億円の売上減のインパクトとなるが、実際に飛んでいる飛行機もガラガラな状況を考えると、コンサバに見積もり丸々売り上げインパクト272億円と換算しよう。それでも営業利益に与えるマイナス影響は、約33億円程度だ。(営業利益率12%前提)

運休が韓国や台湾にも拡大していることから、少し多めに見積もって40億円程だとしても、直近の2018年度の営業利益の2.2%程度のマイナスインパクトしかないことがわかる。(JALの2018年度営業利益は約1,745億円)

株価は悲観論で下げすぎか

日本でコロナウイルスのニュースが出始めたのが2020年1月20日ごろで、同日のJALの終値は3,404円だ。2020年2月19日現在のJALの終値は3,013円なので、この1ヶ月で約12%程度下がったことになります。TOPIXは同期間約4%の下落ですので、TOPIXに対して約8%アンダーパフォームしている状況です。

コロナウイルスの全体の広がりや、2次的波及なども考えると決して楽観はできませんが、悲観論が先走っているようにも思えます。

全日空/ANA(9202)のケース

ANAの中国線の売上構成比はおよそ15%

ANAの場合、中国線の旅客構成比は15%となっている。(出所:ANA2018年3月期決算説明会資料

ANAの2019年3月期の航空事業の売上高は1兆8,144億円で、中国線売上はその15%なので、およそ2,721億円となる。営業利益率が約8.8%なので、営業利益ベースで239億円ということになる。

これを運休している2ヶ月分に換算すると、約40億円程度の営業利益マイナスインパクトがありそうだ。40億円というと、ANA全体の営業利益1,650億円に対し、およそ2.4%程度のインパクトだということがわかる。

ANAの株価は1月20日時点で3,656円で、2月20日時点で3,272円なので1ヶ月で約10%下落している。TOPIXに対して約6%のアンダーパフォームで、JALより若干ましな値動きである。

まとめ

  • JALもANAも、中国線の2ヶ月の運休が営業利益ベースに与えるインパクトはそれぞれ2%程度と軽微
  • しかし、中国のみならずヨーロッパや北米など他地域への波及も懸念
  • 新型コロナウィルスの影響が2ヶ月で収束せず、長引く可能性
  • 株価は悲観論をすでに織り込み済み(?)

株は”安く買って高く売る”が基本

当たり前ですが、株は安く買って高く売ることで利益が出ます。安く買うチャンスというものは大抵、大多数の人が悲観的になっている時にやってきます。今回のケースのように、先が見えないものに関しては業績リスクは読みにくいですが、現在の株価がどの程度悪いニュースを織り込んでいるのか、割安なのか、それとも正しいレベルにあるのか考えるのも株の醍醐味の一つですね。

本記事は取引の勧誘を目的としていません

本記事は情報の提供のみを目的としており、取引の勧誘をするためのものではありません。投資の最終決定は、ご自身の判断でお願いいたします。

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